空き家の利活用とメカニズム

シェアハウスとしての空き家(貸家)利用についての風評

シェアハウスは本当に問題が多いのか?

空き家、貸家を管理している不動産会社や所有者の方から、シェアハウスで貸すと週末や夜中の騒音で近隣に迷惑がかかる、ゴミ出しのルールが守れない、建物が傷んでしまう・・・というご意見を頂きます。
オーナーや不動産管理会社にも、過去にそのようなご経験をされた方がいらっしゃいますが、最近のシェアハウス運営業者のなかには、コンプライアンス、近隣対策などに細心の注意を払い、万一入居者が迷惑行為やルール違反をした場合は、退去していただくという対応をとっているところもあります。
管理会社の管理体制は管理物件の見学によって判断できます。シェアハウス運営で全くそのような問題がないわけではありませんが、事前の対策、万一の緊急対応などどのような規約や運営がなされているかをご確認いただき、シェアハウスに対して何らかの悪いイメージをお持ちであれば、実際に運用されている物件をご見学されるのがいいと思います。

また、オーナーからすれば長く安定的に賃貸したいものです。一般的に賃貸マンションは平均3~4年、賃貸戸建は平均5~6年が賃貸期間といわれていますが、シェアハウスにおいては10年以上継続している場合も少なくありません。

シェアハウスとしての契約等について

シェアハウス運営において、主に交わされる契約書類です。

【マスターリース契約】
マスターリース契約とは、不動産オーナーとシェアハウス管理会社で結ばれる契約で、サブリース(転貸借)を前提に建物を一括して管理会社に賃貸します。

【サブリース契約】
サブリース契約とは、マスターリース契約されたシェアハウス不動産を管理会社が転貸借して入居者と結ぶ契約です。
サブリース契約においては様々な問題が発生しています。一括借上げを総称してサブリースと呼ぶこともありますが、オーナーに賃料が支払えなくなり管理会社が債務不履行に陥るといった問題です。
サブリース契約をするかどうかの判断は、そのメリットとデメリットを十分に把握し、業務委託にするかどうかの経営判断の必要があります。

【運用規約】
運用規約とは、シェアハウス管理会社と入居者と交わされる契約で、入居条件や入居中に纏わる様々な運用ルールを規定しています。
管理会社ごと、物件ごとに細かいルールが定められています。

シェアハウスの入居者像について

シェアハウスの入居者は、OL、フリーランス、地方からの就活目的、海外からの一時帰国、学生、留学生など様々な方がいらっしゃいますが、シェアハウスの賃料やエリアによって入居者の属性の特徴があります。
また、ライフスタイルの違いにより良好なコミュニティが保てない場合や契約書上で問題が発生しそうな場合は、管理会社が意図的に入居者の属性を選別し制限することもあります。

空き家のメカニズム

全国に1,000万世帯以上の空き家があるといわれていますが、全国各地もしくは東京都内でも様々な特徴があります。
空き家は、一時的であれ長期にわたるものであれ、いずれ利活用や解体・除却によって、空き家ではないものに換える必要があり、この変化に向けた対応を行なうことにより、所有者の利益に寄与するだけでなく、地域貢献にもつながります。

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空き家利活用のための調査・検討

(1)基礎調査
所有状況や権利関係、土地・建物の概要、環境・立地状況、法的制限等の物的、法的調査

(2)利活用市場調査
空き家の利活用の可能性を検証するための調査で、市場性、将来性、経済状況の分析を行い、最有効利活用方法を決定する。

(3)建物調査 
空き家の劣化状況などの現状を把握するための専門的な建物調査を行ない、建物の危険度の判定、改修費の試算などを行なう。

(4)事業費の検討
建物調査に基づき、改修費などの利活用事業費を検討し、費用によっては利活用方法の再検討や補助金・助成金なども考慮する。

(5)総合的検討
利活用の選択肢として、空き家をそのまま利用する、空き家を改修して利活用する、除却して利活用する、処分する事が考えられるが、同時に既存の用途のまま活用する場合と、用途を変更して活用するう場合が考えられる。

*空き家を改修、用途変更して利活用するケース*

・賃貸住宅
・パーシャル賃貸住宅
・DIY型賃貸
・シェアハウス
・その他の利活用(宿泊施設、コミュニティスペース、福祉施設、倉庫、店舗

*除却して利活用するケース*

・再建築
・隣地との一体的利活用
・駐車場
・農園
・菜園
・広場
・公園
・緑地

資料

空き家数及び空き家率
空き家数及び空き家率
空き家利活用のための調査・検討
空き家利活用のための調査・検討