ごあいさつ
シェアハウスの素晴らしさと非現実的な偶像を伝えたい
一般社団法人シェアハウスラボは、設立5年目を迎え、新たな役割を果たすためにホームページをリニューアルすることといたしました。
設立当初は「空き家対策特別措置法」(国交省)、「寄宿舎等に関する東京都建築安全条例」(東京都)等が施行され、シェアハウスという新たな住まい方のコンプライアンスが明確になり、シェアハウス業界にとっても次のステージに向けての大きな転換点になりました。
10年以上シェアハウス運営に携ってきました私たちにおきましても様々な問題や変化がありましたが、使命感のある業界関係者が一丸となって邁進してきた結果、現在に至っていると思います。
当初は、シェアハウスの設計・設備や運営の方法を中心に不動産所有者、建築会社、不動産会社の皆様にその内容をお伝えしてきました。
しかしながら、平成28年から不動産投資物件としての脚光を浴び、新築シェアハウスの販売が急激に増え大きな社会問題になりました。不動産投資理論や賃料査定を無視した不動産投資に対して、セミナーなどで注意喚起してきましたが残念な結果となってしまいました。
今回、当社団法人のホームページをシェアハウスの市場から運営の実態まで掘り下げ、シェアハウスの素晴らしさの反面、非現実的なシェアハウスの偶像もお伝えできればと思いリニューアルいたしました。
本来は、空き家対策の一環としてゲストハウスが発展し、その後、シェアハウスと一般的に呼ぶようになり、800万戸以上といわれる空き家の利活用の一手段として戸建所有者の方が空き部屋を賃貸するところから始まりました。
そして入居者を業者が募集し、運営・管理するものをシェアハウス。また知人同士が賃料を出しあって入居するものをルームシェアと一般的に呼ぶようになりました。
時代とともに変わるものと変わらないもの
シェアハウスは様々な変化をしてきました。しかしながら変化しない普遍的なものがあります。
不動産投資理論
その前提となるのは賃料査定と空室率の査定です。10年以上かけて東京都内だけでも2,000棟近くのシェアハウスが運営されてきており、いまではエリア毎のNOI(営業純利益)はビッグデーターからある程度読み取ることができます。
投資する場合においても、キャップレート(収益還元率)を算出することもできます。これを無視した賃貸や投資は、期待利回りを達成できないばかりか、レバレッジを期待したファイナンス利用の場合は、デフォルトの危険があるのは当然といえます。
運営・管理
シェアハウスの運営・管理は、一般賃貸不動産のものと異なるところもありますが、LM(リーシングマネージメント)、PM(プロパティマネージメント)、テナントリテンションの手法は一般賃貸と基本的には変わりません。
専有部分以外のシェアハウス特有の共用部分の取り扱いや、契約形態・運用規約は特異なところがありますが運営・管理の基本は変わりません。
シェアハウス管理会社にすべてを任せるサブリース契約が多い中、自主管理をご希望のオーナーへのサポートも行なってきました。自主管理しないまでも、ご自身が所有の億単位の資産のマネージメントの内容をまったく知らずに、すべてを任せるというリスクは今回の新築シェアハウス問題で明らかになったのではないかと思います。
サブリースが良いのか、業務委託が良いのか、自主管理(+外注)が良いのかは所有者の事情によりますが、運営まったく無関心という訳にはいきません。資本金1,000万円の会社の社長でも人・物・カネを駆使しています。億単位の資産所有者であれば、なおさら必要だと思います。
ホームページで以下の項目の概要だけでもお伝えできればと思います。